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横浜地方裁判所 昭和46年(ワ)1184号 判決

原告

大矢堯

ほか一名

被告

株式会社日吉回漕店

主文

被告は原告大矢堯に対し金一、九〇三、七二四円及び内金一、七五三、七二四円につき昭和四六年八月二七日から支払済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

被告は原告大矢三千枝に対し金一、五〇三、七二四円及び内金一、三五三、七二四円について同日から支払済に至るまで同割合による金員を支払え。

原告らのその余の請求はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用の負担についてはこれを一〇分し、その七を原告らの、その余を被告の各負担とする。

この判決は、第一、二項に限り仮に執行することができる。

事実

原告訴訟代理人は、「被告は原告大矢堯(原告堯という)に対し金五、七七三、一〇九円及び内金五、一一一、九一七円に対する昭和四六年八月二七日から支払済に至るまで年五分の割合による金員を、また、原告大矢三千枝(原告三千枝という)に対し金五、二九三、一〇九円及び内金四、八一一、九一七円に対する同日から支払済に至るまで年五分の割合による金員を、それぞれ支払え。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決及び仮執行の宣言を求め、その請求の原因として次のとおり述べた。

一  昭和四六年一月九日午後三時二〇分頃、原告らの次男亡宗司(当時八才、亡宗司という)は、神奈川県愛甲郡愛川町田代一、九二七番地先県道において、被告の社員中村主殿(訴外中村という)の運転する、被告所有の大型コンクリートミキサー車(相模8こ352、被告車という)に轢かれて即死した。

二  本件交通事故は、訴外中村が被告車(長さ七・七〇五米、幅二・四五〇米)を運転して、幅員わずか四・五米の狭い町道を通行し、しかも本件交通事故現場手前で既に、被告車進行左側の有蓋側溝上を、乳母車を押して歩行している原告他三名の子供を認めてこれを追いこしながら、事故現場交差点で一時停止して後、県道上の交通に気をとられて、原告らの歩いてくる後方の安全を確認しないまま急角度で左折発進したため、有蓋側溝上に待避している亡宗司を左後輪で轢過、即死させた。

狭い道路で子供を追い越し、その子供が後方から歩いてくることが判つているとき交差点を左折する場合は、運転者は成人に対するよりも一層よく後方の安全を確認すべきである。更に、訴外中村は自動車が右・左折するときは後輪は前輪よりずつと内側をまわるということを良く知つており、本件交差点の北東端は角切りがなされ、十分のスペースがあつたのであるから、左折に際し左側に十分の余裕をとつた大まわりをすることができた。従つて、本件交通事故は訴外中村の一方的重大な過失により起つたことは明白である。

三  被告は、被告車を保有し運行の用に供していたものであるから、自動車損害賠償保障法(自賠法という)第三条による保有者責任を負うものである。

四  損害

1  葬祭費

原告堯は、亡宗司死亡のため葬祭費として金三〇〇、〇〇〇円の出費を余儀なくされ、その結果同額の損害を被つた。

2  得べかりし利益の喪失

亡宗司は、死亡当時満八才でかつ健康な男子であつたから、事故がなければ、健康に成長して高等学校を終えて、満一八才から満六三才までは少くとも我国男子労働者の平均賃金に相当する収入を得ると見られるので、同人の右期間中の平均生活費を収入の五〇パーセントとし、昭和四五年度賃金センサスをもとに、ホフマン式(年別単利)計算法により右期間中得べかりし利益の現価を算出すると、金九、八二三、八三三円となる。

(68.400×12+206.400)×1/2×(26.0723-7.9449)

原告らは、それぞれ右金員の二分の一に相当する金四、九一一、九一七円を相続により取得した。

3  慰藉料

亡宗司は、原告らが結婚して長らく子宝に恵まれなかつた後にようやく授かつた二人の子供のうちの末子であつたこと、本件交通事故が訴外中村の重大かつ一方的過失によるものであること、及び亡宗司が大型コンクリート・ミキサー車の左後輪の下敷になり、原告らが現場を目撃するに耐えないような態様で死亡したこと等を考慮して、原告らが亡宗司の死亡によつて受けた精神的打撃を金銭に見積ると、原告各自につき金二、五〇〇、〇〇〇円が相当である。

4  損益相殺

原告らは、本件交通事故に関し、自賠法による強制保険金五、〇〇〇、〇〇〇円を受領し、かつ、被告から金二〇〇、〇〇〇円を受領したから、各自、前記の損害の内金二、六〇〇、〇〇〇円の填補を受けたこととなる。

5  弁護士費用

原告堯は、本件訴訟の遂行を原告訴訟代理人両名に委任し、着手金として合計金一五〇、〇〇〇円を支払い、かつ、原告両名は原告訴訟代理人両名に対し、成功報酬として各請求金額の一〇パーセントを支払う旨約した。従つて、原告堯は、金六六一、一九二円、原告三千枝は金四八一、一九二円の損害を被つた。

五  よつて、原告堯は被告に対し金五、七七三、一〇九円及び弁護士費用を除く内金五、一一一、九一七円について本件訴状送達の翌日である昭和四六年八月二七日から支払済にいたるまで民法所定の年五分の割合の遅延損害金の支払を、原告三千枝は被告に対し、金五、二九三、一〇九円及び弁護士費用を除く内金四、八一一、九一七円について、同日から支払済にいたるまで同割合による遅延損害金の支払を、それぞれ求めるため本訴請求に及んだ次第である。

六  なお、原告らの主張に反する被告の主張及び過失相殺の抗弁はすべて争い、次のとおり付陳した。

1  被告は、本件交通事故発生以前から大岩生コン株式会社の代表取締役を通じて、原告らに対し、本件事故現場の角切りをするよう再三申し入れていたと主張するが、これは全く事実無根である。

最初に、大岩が原告らに面会を求めて来たのは、本件交通事故発生後半年以上も経過した後のことであり、しかも、まず、原告ら居住部落の区長を通じて角切りの申し入れがあつたため、原告らが、角切りの恩恵に浴すべき大岩から直接の依頼があるべきだと主張した後に初めて大岩からの接触を受けたものである。このときに、原告らは、角切り後の道路の端に待避用のコンクリートの台地をつけることを条件として、快く角切りに応じたのである。いずれにせよ、本件交通事故発生前に、被告ないし大岩から角切りの申し入れがあつた事実はないのであり、被告が、このような架空の主張の下に、あたかも本件交通事故は角切りのなかつたことが原因であつたかの如く主張するのは、まさに省りみて他を云うものというべきである。

2  被告は、住宅地造成事業に関する法律施行規則等を引用しているが、これらは、高々、一定の広さを有する「住宅地造成事業」をこれから行う場合の規定であつて、このような規定を以て本件事故現場の角切りを行うべき根拠とすることができないことは明白である。(しかも、前記施行規則は、すでに昭和四四年六月一四日建設省令第四二〇号により廃止されているものである。)〔証拠関係略〕

被告訴訟代理人は、「原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。」との判決を求め、原告ら主張の請求原因事実に対して、第一項記載の事実、第四項4記載の事実はこれを認めるが、その余の事実はすべて争うと述べた。

(過失相殺の抗弁)

一  訴外中村の運転する被告車が亡宗司を追い抜いて前方に停止し、左折しようとしていたところへ、亡宗司が道路左側の交差点角の狭いところへ入つて来たのである。右亡宗司の行動は避譲行為というよりも危険個所に自ら立入つたものというべきであるから損害額の算定について斟酌されるべきである。なお、原告らは、訴外中村が左折するに際して、左側に十分な余裕をとつた大回りをすることができた筈であると主張するが、左側に十分余裕をもつように交差点手前で止まるためには右側通行をしなければならず、右側通行の位置で停止して待つことは、前面に交差する道路から進入してくる車両の妨害になるので、交差点手前では左側に寄つて止まるべきである。左側通行を守りながら大回りを要求することは無理な話しである。まして本件では、前面に交差する道路から進入しようとした車があつたのであるから尚更である。

二  所謂「すみきり」についての主張

1  被告は、本件交通事故発生前から本件事故場所に近い本件道路奥に存する大岩生コン株式会社愛川工場から、生コンの搬出を継続的に行つてきたものであるが、本件事故場所の交差点角の他の三方は所謂すみきりがなされていて、車両の右・左折がし易い状態であるのに、本件事故場所の角のみが、所謂すみきりのなされていない状態で草の左・右折に難渋していた。

2  そこで、大岩生コン株式会社の愛川工場から生コンを搬出するに当り、原告ら宅地の本件事故場所の角をいわゆるすみきりして貫えば、車両の右・左折が容易に出来て安全であるので、当時大岩生コン株式会社の代表取締役が、厚木地区の交通安全協会会長をしているという話であつたので、大岩生コン株式会社に依頼して同会社から原告らに対し本件事故現場の所謂すみきりをさせて欲しいと再三にわたり申し入れてもらつた。

3  しかし、原告らは遂に右要望を聞き入れてくれなかつた。その理由は詳らかでないが、土地が狭くなつて困るからと云うことが理由の一つになつているとも云われている。

4  もし本件事故場所のすみきりがなされていれば、車両を避譲し易くなり亡宗司も被告車を避譲し得たかも知れないのである。

5  近時の住宅地造成事業については、省令や規則によつて交差する道路のすみきりが義務づけられている。

(一)  住宅地造成事業に関する法律施行規則(昭和三九年一〇月三〇日建設省令第二八号)第一〇条は、都道府県知事が都道府県(指定都市区域内では指定都市)の規則で、この点の基準を定め得るものとされ、

(二)  神奈川県住宅地造成事業に関する法律施行細則(昭和四〇年九月一五日神奈川県規則第八三号)第一〇条第二号で、住宅地造成事業の施行地区の面積が一ヘクタール以上の場合であるが、「施行地区内の道路が交差し又は屈曲する場合には、その交差又は屈曲の部分の街角について適当なすみきりをしなければならないと定め、

(三)  横浜市住宅地造成事業に関する法律施行細則(昭和四〇年九月一五日横浜市規則第八〇号)で横浜市全域に於て〇・一ヘクタール以上(第二条)の住宅地造成事業に於ては、第二六条で、「道路が交差し、または屈曲する場合においては、その交差し、または屈曲する部分の街角について、市長が別に定める基準に従い、すみきりをしなければならない」と定められている。

6  右判定の趣旨は、交差点に於ける車両の通行を円滑容易にし、併せて見とおしをよくして交差点及びその付近の車両の事故を防止しようというにあるものと解される。

7  自動車の使用が、産業経済上不可欠である現時の社会に於ては、事故防止のため自動車の運転者に高度の注意義務が課されるのはもとよりであるが、地域の住民としても、事故の起り得る危険な場所は、危険を排除して事故防止のため協力する義務があると云うべく、本件交通事故現場は、交差点の他の三方の街角がすみきりを施されているのであつて、大岩生コン株式会社からのすみきりの申し入れに対して原告らとしてもこれに協力する義務があつたものというべきである。したがつて、原告らは本件交通事故後、本件事故場所の街角のすみきりを施したが、本件交通事故前においてすみきりを為すべきであつたのである。

8  原告らが、本件交通事故前に事故防止のため、本件事故場所の街角のすみきりを求められたにもかかわらず(費用・補償等は大岩生コン株式会社や被告に於て提供される筈であつたと思われる)これを拒否したため、本件事故時に於てすみきりが施されてなかつたことが、本件交通事故発生の一因となつているのであるから、原告らに於ても本件事故発生の原因に直接寄与したものとして、損害額特に慰藉料算定に当り斟酌されなければならないと云うべきである。

被告は、甲第三号証の成立は不知であるが、その余の同号各証の成立はすべてこれを認める旨陳述した。

理由

一  原告ら主張の日時、場所において、亡宗司が、被告社員訴外中村の運転する被告所有の被告車に轢かれて即死したことは当事者間に争いがない。

二  訴外中村の過失

1  本件交通事故現場付近の状況

〔証拠略〕によると次の事実が認められる。

本件交通事故現場付近を半原方面(北)から厚木方面(南)に通ずる県道は、全幅員六・二米の歩車道の区別のないアスフアルト舗装道路で、西側に〇・五米、東側に〇・八米の有蓋側溝がある。

県道東側に垂直に交差する町道は、大岩生コン株式会社愛川工場に通じ、北側〇・四米、南側〇・七五米の有蓋側溝を含む巾員四・五米のアスフアルト舗装の道路であつて歩車道の区別はない。また県道の西側に垂直に交差し、半僧坊に至る勝楽寺の参道は巾員八・三米のアスフアルト舗装道路で歩車道の区別はない。

現場付近の県道は、神奈川県公安委員会の指定により駐車禁止および追越禁止の規制がなされているが、信号機の設置はなされていない。なお、本件交差点は、南東側を除いて、その他の三つの方角のすみは、いずれも「すみきり」がなされているが、南東側のすみだけが「すみきり」がなされていなくて、バス停留所の待合所が設置されている。

2  本件交通事故の発生状況

〔証拠略〕によると次の事実が認められる。

亡宗司ら小学生は、本件交通事故の発生した当日お正月のお飾り等を燃し団子焼をする準備のために、部落内の家々を廻つてお飾りを集めたり、山の杉の葉を拾い集めたりする仕事に従事していたが、お飾り集めが終つたので、亡宗司が家から古い乳母車を持つてきて、これに拾つた杉の葉を入れて押しながら一番先に、四年生の工藤潤、六年生の平本三雄、三年生の田辺雅人がこれに続いて、大岩生コン株式会社愛川工場方面から県道に向つて道路左側の側溝の上を歩いていた。

訴外中村は、被告車に生コンクリート三立方米を積んで、大岩生コン株式会社愛川工場から県道に向つて、道路中央を時速一五粁で進行し、県道に至る手前八ないし九米の地点で亡宗司らの小学生を追い抜いた。そして、本件交差点の県道手前にまで到達したところ、県道の左の方、すなわち、厚木方面から進行してきて、大岩生コン株式会社愛川工場方面に右折しようとしている小さなトラツクがいたので、被告車を一時停止させた。ところが右の小さなトラツクが後退してくれたので、左折しようとして、県道の左右と後方の安全を確かめたところ、バツクミラーに亡宗司ら小学生を見ることはできなかつた。すると、又、そのとき県道の右の方、すなわち、半原方面から警笛を鳴らして、相当に速い速度で走つてきた別の普通トラツクがあつたのでこれをやり過した。訴外中村は、先刻バツクミラーに小学生の姿が写らなかつたことに安心し、かつ、前記小さなトラツクが待つてくれているため早く左折して県道に出たいと思い、左方及び後方の安全を確認しないままハンドルを左に切りながら発進したところ、本件交差点南東角側溝上にいた亡宗司を被告車左後輪で轢過したものである。

3  訴外中村は、亡宗司らの小学生を追抜いたのであるから、左折するに当つては、同人らの動静に注意して安全を確認した後に発進し、以て危害の発生を未然に防止すべき注意義務があるというべきである。

ところが、右の認定事実によると、訴外中村は、右注意義務を怠り、左方及び後方の安全を確認しないまま左折を開始して亡宗司を轢過したというのであるから爾余の点を判断するまでもなく、これに過失のあることは明白である。

三  被告の責任

〔証拠略〕によると、被告は、被告車を保有して、これを運行の用に供しているものであることが認められるから、自賠法第三条によつて、後記原告らの被つた損害を賠償しなければならない。

四  損害

1  葬祭費

〔証拠略〕とによると、亡宗司の葬祭費は金二五〇、〇〇〇円が相当であり、原告堯はこれが出費を余儀なくされ、その結果同額の損害を被つたことが認められる。

2  得べかりし利益

〔証拠略〕によると、亡宗司は、昭和三七年九月四日生れの当時八才の健康な男子であつたことが認められる。

労働者労働統計調査部編昭和四五年度資金センサスによると、全産業労働者の男子一人当り一ケ年の平均給与額は金一、〇二七、二〇〇円であるので、その平均生活費を右収入の五〇パーセントとすると、一ケ年の平均純益は金五一三、六〇〇円となる。

亡宗司は満二〇才に達した頃から六〇才に達する頃までの四〇年間右金額程度の純益を得続けたであろうと考えられる。よつて右純益の金額を基礎にしてライプニツツ計算法によつて現価を算出すると金四、九〇七、四四八円となる。

金513,600円×(52年の係数18.418-12年の係数8.863)=金4,907,448円

しかして、原告堯本人尋問の結果によると、原告らは、それぞれ右金員の二分の一に相当する金二、四五三、七二四円を相続により取得したことが認められる。

3  原告らに対する慰藉料

本件交通事故の原因、態様その他諸般の事情を斟酌すると、原告らに対する慰藉料の額は、原告各自につき金一、五〇〇、〇〇〇円合計金三、〇〇〇、〇〇〇円が相当である。

4  損益相殺

以上によると、原告堯は金四、二〇三、七二四円、原告三千枝は金三、九五三、七二四円の損害を被つたことになるが、原告ら主張のとおり、保険金と被告からの弁済金合計金五、二〇〇、〇〇〇円の二分の一の金二、六〇〇、〇〇〇円をそれぞれ受領しているのであるからこれを控除すると、原告堯は金一、六〇三、七二四円、原告三千枝は金一、三五三、七二四円となる。

5  弁護士費用

本件訴訟の難易、請求額、認容額その他諸般の事情を斟酌すると、着手金は金一五〇、〇〇〇円、成功報酬は原告ら各自金一五〇、〇〇〇円合計金三〇〇、〇〇〇円が相当である。

6  過失相殺

被告は、被告車が左折しようとしていたところ、亡宗司が本件交差点角の危険個所へ入つた過失があると主張する。しかしながら前記認定事実によると亡宗司は本件交差点の南東角側溝上に避難していて轢過されたのであるから、これに過失を認めることはできない。被告のいう交差点角の危険個所が、東南角の側溝上を意味するものとすれば、被告の主張は独自の見解であつて採用できない。

次に、被告は、本件事故場所がすみきりされていないことを以て、過失相殺の斟酌事由として主張するが、被告の主張によるも、原告らがすみきりをなすべき法的義務を負担していないことは明白であるし、又、本件交通事故発生前に、大岩生コン株式会社ないし被告から原告らに対してすみきりの申し入れがなされたことについても立証がないから、被告の過失相殺の抗弁は採用できない。

五  そうすると、被告は原告堯に対し、金一、九〇三、七二四円及び成功報酬を除く内金一、七五三、七二四円につき本件訴状送達の翌日である昭和四六年八月二七日から支払済にいたるまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払わなければならない。また、被告は原告三千枝に対し、金一、五〇三、七二四円及び成功報酬を除く内金一、三五三、七二四円については同日から支払済に至るまで同割合による遅延損害金を支払わなければならない。よつて、原告らの本訴請求は右の限度において正当であるからこれを認容することとし、その余は失当であるからこれを棄却する。

訴訟費用の負担については、民事訴訟法第八九条、第九二条、第九三条を、仮執行の宣言については同法第一九六条を夫々適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 石藤太郎)

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